日東科学
 チビヘリ シリーズ


 日東科学のチビシリーズは1971年6月頃(*)に発売されたようです。 ラインナップは、ヒューイコブラ、イロコイス、ジェットレンジャー、ヒューズ500の4機です。

 当HPでは、このシリーズを1/144スケールに分類しましたが、厳密にはスケールが1/144と1/100のキットがあり統一されていないので、 箱スケールとするのが妥当だと思います。 しかし、箱スケールというと半端な数字の縮尺が一般的ですが、このチビヘリシリーズは、1/144、100といったある程度メジャーな スケールを選択しています。また、シリーズ始めのスケールに1/144を選択していることから、1/144スケールに分類しました。

 ちなみにスケールはヒューイコブラとイロコイスが1/144でジェットレンジャーとヒューズ500が1/100です。 キットの中身ですが、小さなキットなのにクリアーパーツとデカールが入っています。(接着剤も!!)ただクリアーパーツの色 (クリアーブルー)がかなり濃いのが残念です。(但し、クリアーパーツの色が淡い紫色のものも存在しました。 こちらは透明感があり使用するのに支障はありません。)

 パッケージは、例のごとく数種類あります! 私が確認したのは輸出版を含めると4種類+1です。 発売された順番(輸出版除く)は、はっきりしませんが、発売価格から考えると以下の順じゃないかと思います。
・ 50円 キャラメル箱
・300円 4機セット箱
・100円 キャラメル箱

(*) モデルアート 1971年7月号の「マニア必見!今月の新製品紹介」にチビヘリシリーズのイロコイス、ヒューイコブラが掲載されている。 また、同じ号の日東科学広告ページ最下部にチビヘリシリーズの紹介文が載っている。
日本プラモデル50年史特別付録CD「昭和プラモデル全リスト」には、
イロコイス 1971/04 発売
ヒューイコブラ 1971/04 発売
ジェットレンジャー、ヒューズ500 1971/06 発売となっている。追記09.06.26




■ 50円 キャラメル箱(初版)
 これが初版のパッケージです。BOX TOP には、ヘリコプター名のロゴがカタカナで小さく表示されているのみで他の文字は全て英語 となっています。このまま輸出出来そうなパッケージデザインです! でも、箱の裏の組み立て図はちゃんと日本語になっています。 当たり前か!(笑)

 機体の形成色は、オリーブドラブになっています。デカールがU.S ARMY仕様のため、この形成色になったと思われます。 クリアーパーツは、製造時期の違いかロットの違いか判りませんが、クリアーブルーのものと淡いパープルのものがありました。

 キットのデキですが、1/144の2種は当時にしては値段の割りには良くできていたように感じます。それに比べ、1/100の2種はちょっと おおざっぱなデキのように感じます。1/144の2種は実機が透明の部分は透明パーツでできていますが、1/100の2種は、キャノピーの正面 だけが透明パーツでできており、側面の窓は筋彫り表現となっています。

 このチビヘリシリーズ、珍しいスケールとラインナップで長年貴重な存在でしたが、近年の食玩1/144ブームで1/144のコブラとイロコイス が出現しました。1/100スケールの2種は未だ決定版はありません。1/100スケールのジェットレンジャーは、フジミから発売されていました (クリアーパーツ無しのキット)が、ヒューズ500は、まだニットーのこのチビヘリだけだと思います。まだ存在価値があるのかな?

No.KIT No.BOX SCALEアイテム当時価格 デカールパネルライン
318
[317]
1/144 ヒューイコブラ50U.S ARMY凸ライン
317
[318]
1/144 イロコイスUH-1B50U.S ARMY凸&凹ライン
328
[328]
1/100 ジェットレンジャー50U.S ARMY凹ライン
329
[329]
1/100 ヒューズ50050U.S ARMY凹ライン

[  ]内の数字は、1975年日東カタログに記載されている KIT No.





■ 4機セット箱
 1974年(*)の発売か? チビヘリシリーズが4機セットとなり再登場しました。箱絵は、あの小松崎 茂氏です。 立風書房発行の「小松崎 茂と昭和の絵師たち」にも箱絵が掲載されています。

 この4機セットからデカールがヒューイコブラ以外は、白を基調とした民間機仕様に変更されました。その関係か、形成色は、ホワイト に変更になっています。 ちなみに、ヒューイコブラのデカールは、U.S ARMYからMARINESに変更になっています。

 4機セットには、おまけで厚紙に印刷された「紙ひこうき」が入っています。名前はNittogoで、機首に接着剤の空チュ ーブを取り付けおもりにするよう指示があります。 ふと、オオタキのビッグファイターシリーズの「よく飛ぶペーパーハンドランチャー」を思い出しました。(笑)

 あと、ヘリコプターではありませんが、4機セットとして同時期に「旅客機4機セット」が発売されていました。箱絵は、同じく小松崎 茂氏で、チビプレーンシリーズの1/360 ボーイング727、1/280 ボーイング737、1/540 ボーイング747、1/420 SSTコンコルドの4機がセッ トになっていました。ちなみに値段はチビヘリシリーズ4機セットと同じで300円でした。

(*)「小松崎 茂と昭和の絵師たち」(立風書房発行)に4機セット箱が掲載されており、1974年と記載されている。
日本プラモデル50年史特別付録CD「昭和プラモデル全リスト」には、1975/02発売となっている。追記09.06.26

KIT No.BOXアイテム 当時価格備考
490 ヘリコプター4機セット300 1/100 ジェットレンジャー
1/100 ヒューズ500
1/144 イロコイス
1/144 ヒューイコブラ




■ 100円 キャラメル箱
 発売時期は、発売価格から考えると4機セットの後じゃないかと考えますがはっきりしません。 ヒューズ500のデカールの裏には、「55,09」と印刷されているのでこれが100円キャラメル箱の初版だと考えると1980年発売とするのが 妥当か・・・。

 箱絵はどうやら4機セット箱の該当する機体の部分を切り取って使用しているようです。切り取ってもさすがは小松崎 茂画伯! 魅力的で購入意欲がそそられます。 シリーズNo.は、50円版とは順番が違うようです。

No.KIT No.BOX SCALEアイテム当時価格 デカール
774 1/144 イロコイスUH-1B100警視庁
775 1/144 ヒューイコブラ100MARINES
776 1/100 ヒューズ500100民間仕様
777 1/100 ジェットレンジャー100毎日新聞社




■ その他
 その他として駄菓子屋で売られていたようなパッケージのヒューズ500を入手しました。しばらく、どこに保存したか解かりません でしたが、先日ようやく発見しました! 自分の記憶と違う箱の中に入っていました。。。(^_^;

 そのパッケージは、キットが入ったビニール袋がホッチキスで台紙に留められています。私が所持している台紙には、オートバイの イラストが印刷されています。このオートバイ、調べると「トーハツ CA−1B ランペット」と言う名前のようです。ちょうど この 時代、日東科学からミニバイクシリーズとして1/20スケールの簡単なキットが発売されていましたので、おそらくそのイラストでしょう。 チビヘリシリーズと共に駄菓子屋で売られていたと推測できます。

 このパッケージ、形成色が初版と同じダークグリーンです。このことから発売時期は、初版と同時期じゃないかと思います。 組立説明書は、このパッケージ用に新規に作ったようで小さい紙に印刷されています。(キャラメル箱版は箱の裏に組立説明書が印刷されて いたので紙に印刷された組立説明書は入っていませんでした。)

KIT No.BOXSCALE アイテム
1/100 ヒューズ500




■ ENTEX版
 ENTEXというメーカーから pocket pak シリーズとして発売されていました。このキットは日東科学の金型を使用して製造した輸出品 のようです。箱にはMade in Japan.と記載されています。日東科学の製品は、ENTEX ブランドで海外で販売されていたようです。 このシリーズには、他にもボーイング747、コンコルドなどの旅客機もあったようです。

KIT No.BOXSCALE アイテム
8459C 1/144 bell ah-1b huey cobra
8459H 1/100 hughes 500
(8459I) 1/144 (iroquis uh-1b)
8459K 1/100 bell oh-58a kiowa


トップへ