クラウン
1/144 エアープレーン シリーズ


プロペラ機

 1/144 エアープレーン シリーズは、模型メーカー3社(クラウン・イッコー・ミツワ)の共同企画で1973年にプロペラ機 から始まりました。共同企画ということから初版のパッケージは3社共通のデザインでした。パッケージの背景は白で右側に大きく 国籍マークが印刷されており、なかなかセンスがあったのではと感じます。

 初版の価格はどうやら70円だったようです。(50円じゃなかった! どうもすみません。) 発売価格は、値上げ、値下げを繰り返し、最終的に1機:100円となりました。その関係?で箱は数種類の存在を確認しています。 残念ながら私には全ては分かりません。とりあえず把握している箱は以下の通り。
70円キャラメル箱(初版)
AHM版
100円上下箱(1)
50円キャラメル箱(1)
50円キャラメル箱(2)
100円日本機&外国機2機セット箱
100円上下箱(2)
100円キャラメル箱


■ 70円キャラメル箱(初版)
 この箱が1973年に3社協同企画で開発されたエアープレーンシリーズの初版です。 箱の裏にはIMC模型研究会協同企画と印刷されています。 IMCの意味は、Iはイッコー、Mはミツワモデル、Cはクラウンモデルということだと思います。

 初版は、キット3点を1セットとしシュリンクパックされ、200円 で売られていたようです。 バラ売りもされており、その場合は 1個 70円 でした。  現在、私が把握している3点セットの組合せは下の表の通りで、同一メーカーの組み合わせで日本機セットと 外国機セットがありました。酣燈社の1974 プラモ・ガイド 飛行機キット1000 にも紹介されています。

メーカー No.KIT No.BOXアイテム当時価格備考
クラウン 2401 零戦21型200日本機3点セット
5402 飛燕
29410 リュウセイ<流星>12型
11404 スピットファイア Mk.5200外国機3点セット
14405 P-47Dサンダーボルト
23408 グラマンTBF−1アベンジャー
イッコー 1701 ゼロセン<零戦>32型200日本機3点セット
4702 ハヤテ<疾風>甲型
10704 シデンカイ<紫電改>
7703 P−51Dムスタング200外国機3点セット
13705 フォッケウルフ 190G−1
16706 ホーカーハリケーン MK2C
ミツワ 3101 ゼロセン<零戦>52型200日本機3点セット
6002 ハヤブサ<隼>2型
9003 ライデン<雷電>
12004 グラマン F6F-5 ヘルキャット200外国機3点セット
15005 メッサーシュミット 109E
18006 メッサーシュミット 262A


 エアプレーンシリーズのプロペラ機のラインナップ予定数は39機(もしかしたらもう少し多かったか?)で実際に発売されたのは 35機のようです。 但し、シリーズ後半のキットは実際にこの箱で発売されたかどうかは未確認です。全部所持してないので分かりません。

 下のリストは、クラウン、イッコー、ミツワ、アリイ(現マイクロエース)の各キットのランナーに刻印されていた番号を拾い集め、 番号順に並べ直し、作成しました。キット数が多いことから調べるのに結構苦労しました。(^_^;

 このリストを見れば気付くと思いますが各アイテムをシリーズ番号順にイッコー、クラウン、ミツワの順にきれいに分担していること が分かります。  但し、リストの中には空欄が4つあります。シリーズ番号順の分担の法則からすると、25はイッコー、33,36はミツワ、38は クラウンの開発分だったと推測されますが該当するキットを探すことは出来ませんでした。恐らく開発を予定していたが実際には何らかの 理由により製造されなかったと思われます。

 なお、クラウン製の P-51D のランナーにはシリーズ番号に該当する番号の刻印がありませんでした。 おそらく3社協同企画が完全に終わってからクラウン独自で開発したためでしょう。イッコーの P-51D とラインナップがかぶっているし。

 あと余談ですが、現在、アリイ(現マイクロエース)は元イッコーのキットを再販していますが、ランナー番号はアリイ製品のシリーズ No.に合わせて変更されています。だた、零戦32型、P-51Dはエアープレーンシリーズ番号とアリイのシリーズ番号が同じなのでオリジナル の番号のままです。 ちなみにアリイのキットはアリイ初版の50円キャラメル箱迄はランナー番号はオリジナルのままで100円の上下箱に変わったときに 番号が一部変更されたようです。

 それにしても3社協同とは言え1/144スケールで約40機ものヒコーキをバリエーション展開なしで集めたシリーズは後にも先にも 無いでしょう!

・・・・・と、このクラウンのページを作成した時(2000年)は考えていましたが、現在(2008年)は食玩メーカーが1/144スケールブーム に火をつけ、模型製造メーカーも続々と1/144スケールの飛行機プラモデルの新製品を開発しております。 最近の食玩やプラモデルは非常にデキが良く作ったり集めたりするのも大変嬉しいのですが、クラウン等の遺産価値?が下がっていくのは 寂しいような感じもします。。。まぁ、時代の流れ、プラモデルの世界も世代交代ということでしょうかね!

No.KIT No.BOXアイテム当時価格メーカー
1701 ゼロセン<零戦>32型70イッコー
2401 零戦21型70クラウン
3101 ゼロセン<零戦>52型70ミツワ
4702 ハヤテ<疾風>甲型70イッコー
5402 飛燕70クラウン
6002 ハヤブサ<隼>2型70ミツワ
7703 P−51Dムスタング70イッコー
(8)(403) P−38Jライトニング70クラウン
9003 ライデン<雷電>70ミツワ
10704 シデンカイ<紫電改>70イッコー
11404 スピットファイア Mk.570クラウン
12004 グラマン F6F-5 ヘルキャット70ミツワ
13705 フォッケウルフ 190G−170イッコー
14405 P-47Dサンダーボルト70クラウン
15005 メッサーシュミット 109E70ミツワ
16706 ホーカーハリケーン MK2C70イッコー
(17)(406) 鐘馗70クラウン
18006 メッサーシュミット 262A70ミツワ
(19) 99式艦爆70イッコー
(20)(407) 零式水上偵察機70クラウン
(21) 三菱 100式司令部偵察機70ミツワ
(22) 97式艦攻70イッコー
23408 グラマンTBF−1アベンジャー70クラウン
(24) 天山70ミツワ
(25) (イッコー)
(26)(409) 彩雲70クラウン
(27) ダグラス SBC ドーントレス70ミツワ
(28) SB2C−1ヘルダイバー70イッコー
29410 リュウセイ<流星>12型70クラウン
(30) ユンカース Ju87B シュッカ70ミツワ
(31) ベルP−63キングコブラ70イッコー
(32)(411) ホーカーテンペスト Mk.570クラウン
(33) (ミツワ)
(34) 2式水戦70イッコー
(35)(412) メッサーシュミットBf110C70クラウン
(36) (ミツワ)
(37) カーチスP−40Nウォーホーク70イッコー
(38) (クラウン)
(39) チャンス・ボート F4U-1 コルセア70ミツワ


THANKS !
メッサーシュミット 109E・262A画像提供:GREIF氏



■ AHM版
 この箱はクラウンの輸出仕様というのかOEM仕様というのかよく分かりません。(^_^;  パッケージとシリーズNo.は初版の70円キャラメル箱と同じですが、日本語は消され英語表示のみとなってます。 メーカロゴはクラウンとAHMの両方が印刷されています。組立説明書はもちろん英語になっています。 ディスプレイスタンド付きです。

 発売時期もよく分かりませんがパッケージデザインとディスプレイスタンド付きという初版との類似点を考えると 初版と同じ時期じゃないかと考えます。

No.KIT No.BOXアイテム当時価格
14K-404 P-47D THUNDERBOLT REPUBLIC P-47D THUNDERBOLT


■ 100円上下箱(1)
 一見すると、50円キャラメル箱に見えますが、なんとこれは上下箱です。しかも発売価格は100円! 箱の大きさは50円キャラメル箱と比べると少し大きいです。

 このパッケージの発売時期については情報がありませんので、全く分かりません。(^_^;
しかし、勝手に自分で推測すると、、、1973〜1974年はオイルショックの影響でプラモデルの値段が上がった時期なのでエアープレーン シリーズも一時的?に値上がりされた可能性があります。そう考えるとこのパッケージの発売時期は1974、5年辺りかと考えます。

 またパッケージを総合的に考えても、このパッケージには初版との共通点がいくつもあります(共通点は、3社共同企画のシリーズNo.が 印刷されている点(イッコーも健在!)とディスプレイスタンドが付属されている点。)ので、このことから初版の発売時期の数年後と 考えるのが妥当だと思います。

 その他、初版との違いについてですが、内袋はエアープレーンシリーズのロゴと飛行機側面図が印刷された紙でホッチキス留めされて います。

 それにしても30円値上げは、当時の子供たちにとっては痛かったことでしょう。

No.KIT No.BOXアイテム当時価格メーカー
14405 P-47Dサンダーボルト P-47Dサンダーボルト100クラウン
16706 ホーカーハリケーン MK2C ホーカーハリケーン MK2C100イッコー
23408 グラマン TBF-1 アベンジャー グラマン TBF-1 アベンジャー100クラウン


■ 50円キャラメル箱(1)
 この箱の発売時期も正確には分りませんが、発売価格が50円ということからオイルショックから立ち直った時期のものだと考えられます。 大幅値下げするために、箱の仕様をキャラメル箱へ、組立説明書は箱の裏へ印刷、ディスプレイスタンドは外し、コスト削減した企業努力 が垣間見えます。

 さて、イッコー倒産後、3社協同企画も終わり、この50円キャラメル箱からクラウン独自の商品展開をしています。 50円キャラメル箱にはクラウン開発キットのプロペラ機12機の他に最初からか途中からか分かりませんが元イッコーの製品が ラインナップに加わっています。 元イッコーの製品はその後(1978年のようだ。)アリイに移り、現在もアリイ(現マイクロエース)から発売されています。 但し、理由は分かりませんが疾風はLSの製品に変わっています。LSの方がデキが良かったからでしょうか?

KIT No.BOXアイテム当時価格備考
401 零戦21型50 
402 飛燕1型50 
403 流星12型50 
404 彩雲2型50 
405 零式3座水偵50 
406 鐘馗2型50 
407 スピットファイアMK550 
408 P−47Dサンダーボルト50 
409 TBF−1アベンジャー50 
410 P−38Jライトニング50 
413 テンペストMK550 
414 メッサーシュミットMe110C50 
420 フォッケウルフFw190G−150元イッコー製
1978年以降
アリイから再販
421 P−51Dムスタング50
422 ホーカーハリケーン50
423 SB2C−1ヘルダイバー50
424 ベルP−63キングコブラ50
425 カーチスP−40Nウォーホーク50
426 紫電改50
427 零戦32型50
428 疾風50
429 2式水戦50
430 99式艦爆50
431 97式艦攻50


THANKS !
50円キャラメル箱リスト・KIT No.情報及び下記キット画像提供
妖怪ふるぷらも氏
零式3座水偵・彩雲2型・流星12型・紫電改・P-38J・P-47D
零戦21型・Me110C・Fw190G-1・97式艦攻・TBF-1・P-40N



■ 50円キャラメル箱(2)
 なな、なんと、50円キャラメル箱にもクラウン製 P−51Dムスタング がありました!  KIT No. はP421とPが付いていますが番号はイッコー製のクラウン版(ややこしい)と同じです。

 ということでクラウン製の P−51Dムスタング はこの箱からのようで、二機入り箱からではないようです。<(. .)>  KIT No. の付け方が上記50円キャラメル箱と異なるのでパッケージデザインは同じですが、分類は分けました。 パッケージの名称はどうつければいいのだろうか??

KIT No.BOXアイテム当時価格
P421 P−51Dムスタング P−51Dムスタング50


■ 日本機と外国機 二機入り箱
 何年からかは知りませんが日本機と外国機が1機づつセットとなり二機入り上下箱としてリニューアルされました。 価格は100円でしたのでお値段、据え置きです。
二機入り箱から旧イッコー製のキットはラインナップから外れています。何故だか分かりませんが・・・。 この頃にアリイに金型が移ったのでしょうか??

 それとP−38Jがラインナップから外れ代わりにクラウン製のP−51Dが加わりました。 で、加わったそのP−51D、全面スジ彫りでかなりイイです。このシリーズ1番のデキじゃないでしょうか!!  ちなみにP−38Jは双発機シリーズへ組み込まれました。

 なお、このキットには同社1/144のカタログが同梱されていました。 (このカタログがキット研究?に役立ちました。)
この箱からシリーズ名称がエアクラフトシリーズに変わっています。

No.KIT No.BOXアイテム当時価格
A1(P443) 零戦21型 アベンジャー100
A2P444 飛燕  メッサーシュミットBf110100
A3P445 鍾馗 ホーカーテンペスト100
A4P446 流星 ムスタングP−51100
A5P447 彩雲 スビットファイアー100
A6P448 三座水偵 サンダーボルト100

THANKS !
「零戦21型 アベンジャー」画像提供:政府開発援助氏


■ 100円上下箱(2)
 う〜ん、この箱も何年から発売されたかはっきり分かりません。私が買い求めたのが1985年頃だと思いますのでその頃でしょうか?
クラウンのプロペラ機もついに1機:100円になってしまいました。

 機体が小さいので箱が小さかったとは言え、箱の中の空間が大きく感じました。割高感があったためか(?)キットの他にカラーガイドが同梱されていました。 なおシリーズ名称ですが、この箱にはエアプレーンシリーズともエアクラフトシリーズとも記入されていません。 統一したシリーズ名が無いみたいです。ただ、外国機6機には "FAMOS AIRPLANE SERIES OF THE WORLD" と印刷がありますが 日本機6機には何も印刷がありません。不思議だ〜!

No.KIT No.BOXアイテム当時価格完成写真
P431 スピットファイア Mk.5100
P432 P-47Dサンダーボルト100
P433 グラマンTBF−1アベンジャー100
P434 ホーカーテンペスト Mk.5100
P435 メッサーシュミットBf110C100
P436 P-51Dムスタング100
P437 零戦21型100
P438 飛燕100
P439 流星改100
10P440 彩雲100
11P441 零式水上偵察機100
12P442 鐘馗100

THANKS !
飛燕画像提供:政府開発援助氏


■ 100円キャラメル箱
 実は私が100円キャラメル箱の存在に気付いたのはつい最近です。だから当然この箱も何年から発売されたか分かりません。 勝手に想像するに私が飛行機をほとんど買わなかった時期の1990年頃だろうか?

 このキットの組み立て説明書にはなんと、同社1/144のリストが印刷されています。このリストはかなりキット研究?に役立ちました! (余計に混乱したかな!?)同じキットでもシリーズNo.や価格が変わっていることが分かりました。 なお、カラーガイドはキャラメル箱の裏側に印刷されていました。シリーズ名称はエアクラフトシリーズが復活?しています。 しかもマークがブルーからレッドに変わっています。箱が空色なのでマークの色を変更したのでしょうか? やっぱり、クラウンは不思議だ〜!

No.KIT No.BOXアイテム当時価格
A1P431 スピットファイア Mk.5100
A2P432 P-47Dサンダーボルト100
A3P433 グラマンTBF−1アベンジャー100
A4P434 ホーカーテンペスト Mk.5100
A5P435 メッサーシュミットBf110C100
A6P436 P-51Dムスタング100
A7P437 零戦21型100
A8P438 飛燕100
A9P439 流星改100
A10P440 彩雲100
A11P441 零式水上偵察機100
A12P442 鐘馗100


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